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14.現在の原木木材の流通事情(国内)
■日本国産材について

 前章でヨーロッパの人々が北海道の原木を輸入しているという話をしたが、実際、北海道産の木材の木味は最高である。ツヤや目合、色も上品でランク的には世界でも最高級といえる部類だろう。
 しかし、それら北海道産の材に限らず、残念ながら長年使ってきた国産材の原木がとても少なくなってきている。需要はあるが絶対的に供給が足りない。
 そこで代替できるものは外材を中心に代替を行っているのだが、どうしても代替品がうまく見つからないものがある。その代表とされるのが、カバ(サクラ)、セン、ケヤキ等だ。

 現在、木材の中で最も人気の高い材がカバ(サクラ)である。しかし、カバの欠点とされるギラ、フケ、曲がりの無い良材は現在では殆ど無い。もともと不足している上に人気が高いとなれば、更に供給は追いつかなのは当然だが、カバ材を使う場合、殆どの現場で良材を要求してくる。
 以前より、代替品として「アメリカンチェリー」「ホワイトバーチ」「モアビ(荒目)」「シルバーハート」など、色々と試してはいるが、なかなか「カバ」の特徴である薄いピンク色をした上品な目合、木目を表現する事は難しく、設計士やデザイナーの方々は納得されないようだ。
 「セン」は毎年夏場になると不足する。  その原因は、そもそも「セン」という材が”あばれやすい”という性質である点にある。乾燥をさせると暴れてしまい、反ったり目割れを起こしやすいのだ。特に目が荒くはっきりしたものは暴れやすい。
 そこで通常は、生のものをそのまま乾燥させずに利用する事が多いのだが、ここでも問題がある。乾燥させていない生の「セン」は夏場になると蒸れてシミ(青ジミ)がでるのだ。そこで、通常5月を過ぎた頃からメーカーも原木を出さなくなり品薄の状態になる。需要そのものは年間を通じて大きな変化はないが、夏に出回っているのは、冬場に仕入れておいたものを乾燥させたもののため量は断然少ない。乾燥させても暴れないと思われるものを在庫しておいたものだ。
 にわかに「セン」の在庫の問い合わせが増えるのもこの時期で、実際に山でセンが枯れてしまう訳ではないのだが、”夏場にはセンが枯れる”と我々の間では言われている。
 日本を代表する銘木である「ケヤキ」は、「ニレ」「セン」等を着色したものを代替品として使用している。しかし最近の傾向として、この手の色の濃い木材はあまり好まれず、人気も落ち込んでいる。
 「ケヤキ」と言うと、社寺仏閣から住宅まで、日本建築には欠かせないものだった。ひと昔前は、ケヤキの玉杢といえばかなりの高額で取引されていたが、現在は良材も少なく、又、使用される現場も少ない為、需要そものもが落ち込んでいる。生活スタイルの変化もその原因の一つで、以前は和室には床の間があり、床板には必ずと言っていいほどケヤキの木目の合板を使用していた。つまり、一軒に最低でも一枚は使用されていたのだが、最近では床の間自体が無い家が多く、またあったとしても他の材を使うケースが増え、ケヤキの使用量はとても減ってきている。

 国産材全体を見ると、銘木の部類は殆どと言っていいほど無くなっている。特に良材は切り尽くされ、現在残っている原木も細いものや曲がっているものが殆どで、良材は望めないようだ。  しかしその反面、一生懸命植林してきた針葉樹材は余っている。更に、東南アジアなどから安く輸入できる外材におされ、林業として成り立たず廃業寸前である。
 それをなんとか持ち直してもらいたいと思い、今後は国産の針葉樹材を使用した針葉樹合板等の販売に力を入れていきたいと思っている。
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